心あたりは?中高年に多い狭心症
Aさんは50歳で某会社の役員であり大のタバコ好きで(それなりにストレスも多い)日頃は血圧も正常でこれといった病気をしたことがありませんが、最近疲れたとき胸がしめつけられるようになり、冷や汗が出てこのまま死んでしまうのでわないかと不安に襲われます。
病院を訪れ診察を受けた結果「狭心症」だと言われました。
狭心症とは心臓が狭くなると言う字を書きます。心臓が押しつぶされるような感じで多くの場合、痛みは左腕の内側に走り、まれに顎や歯に痛みが走ることもありさらに肩や腕の痛みも訴えられることがあります。多くは2~3分安静にしていると胸の痛みはなくなるのですが、10分以上つづく場合もあります。本人はとても不安がり冷や汗が出たり、気分が悪くなります。
ニトログリセリン、ニトロールは有効で舌下に入れると1~2分で胸の痛みは消えることが多いようです。

※ニトログリセリン
ダイナマイトの原料であるニトログリセリンが合成されたのが1848年で、1879年からニトログリセリンが狭心症に有効であるということが知られました。
ニトログリセリンは液体であり、錠剤にする為に乳糖を固めたものにニトログリセリン0.3ミリグラムをしみ込ませます。このクスリが狭心症をやわらげる作用は冠動脈を拡げて流れる血液の量を増やしたり、血管を拡げることにより一時的に血管内に血液をため、心臓へ帰る血液の量を減らし、心臓にかかる仕事量を減らすことです。使い方としては、胸痛がおこつた時、舌の下にいれてとかし、口の粘膜から吸収させます。
普通の薬のように飲み込んでも効果はありません。予防的な使い方もします。例えば、いつも朝起きてトイレに入った時など発作を起こす人なんかはトイレにいく前にニトログリセリンを舌下服用してからトイレに行くようにします。
ニトログリセリンは1~2分間で効果を表し、約30分間効いています。
ニトログリセリンの副作用として多いのは血管を拡張する作用の為、脳の血管を拡張し頭痛を起こしやすくします。

Aさんは突然、胸が締め付けられるような発作にみまわれ、このまま心臓が止まってしまうのではないかと不安になりますが安静にしていると発作もおさまり、また普段の日常生活にもどるので病院に行くのをためらっていましたが、さすがに3回目の発作の後、病院へ行く決心をしました。
皆様の中にも心当たりのある方は一度、診察してみられるほうが良いでしょう。Aさんもその後食事療法と適度な運動、禁煙を心がけ医師の指示通りの生活を守り今では発作の起こる前の元気なAさんにもどりバリバリ仕事をしているそうです。